Foot callus thickness does not trade off protection for tactile sensitivity during walking
Nature (2019) Letter | Published: 26 June 2019
The science breaker記事2020/4/27
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https://gyazo.com/d74b23c6be2baa0a4a25e2ea0127cf37
Abstract
Until relatively recently, humans, similar to other animals, were habitually barefoot. Therefore, the soles of our feet were the only direct contact between the body and the ground when walking. There is indirect evidence that footwear such as sandals and moccasins were first invented within the past 40 thousand years, the oldest recovered footwear dates to eight thousand years ago and inexpensive shoes with cushioned heels were not developed until the Industrial Revolution. Because calluses—thickened and hardened areas of the epidermal layer of the skin—are the evolutionary solution to protecting the foot, we wondered whether they differ from shoes in maintaining tactile sensitivity during walking, especially at initial foot contact, to improve safety on surfaces that can be slippery, abrasive or otherwise injurious or uncomfortable. Here we show that, as expected, people from Kenya and the United States who frequently walk barefoot have thicker and harder calluses than those who typically use footwear. However, in contrast to shoes, callus thickness does not trade-off protection, measured as hardness and stiffness, for the ability to perceive tactile stimuli at frequencies experienced during walking. Additionally, unlike cushioned footwear, callus thickness does not affect how hard the feet strike the ground during walking, as indicated by impact forces. Along with providing protection and comfort at the cost of tactile sensitivity, cushioned footwear also lowers rates of loading at impact but increases force impulses, with unknown effects on the skeleton that merit future study.
比較的最近まで、人間は他の動物と同様に習慣的にはだしだった。そのため、私たちの足裏は、歩くときに身体と地面が直接接する唯一部位であった。サンダルやモカシンなどの履物が4万年前に発明され、最も古い足を覆うような履物は8000年前に遡り、踵にクッションのついた安価な靴は産業革命以前は発展してこなかったという間接的な証拠がある。角質(皮膚の表皮層の厚く硬くなった部分)は足を保護するための進化的な解決法であるため、滑りやすい、研磨性の、またはその他の有害または不快な表面上の安全性を向上させるために、歩行中(特にイニシャルコンタクトにおいて)の足底感覚を維持する点で靴と異なるのかどうか検討した。ここで私たちは、予想通り、ケニアやアメリカから頻繁に裸足で歩く人々は、通常履物を使う人々よりも厚く硬いカルス(胼胝)を持っていることを示している。しかしながら、靴とは対照的に、カルスの厚さは、歩行中に経験される周波数で触覚刺激を知覚する能力に関して、硬さおよびスティフネス として測定される保護機能とトレードオフ関係にない。さらに、クッションのある履物とは異なり、カルスの厚さは、インパクトフォースによって示されるように、歩行中に足が地面を打つ程度に影響を及ぼさない。足底感覚を犠牲にして保護と快適さを提供することに加えて、クッションのある履物はインパクト時の負荷率を低下させるが、力積を増大させ、将来の研究に値する骨格に対する未知の効果を伴うだろう。 本文
カルスは表皮の角質化された外層の厚くなった部分で、皮膚が高摩擦にさらされると通常ヒトや他の動物に発生する。そのような刺激は表皮の最も深い層、基底層におけるケラチノサイトの過剰増殖の過程を開始させる。これらの細胞は最外層、角質層に向かって移動するが、平坦な角質細胞および無核角質細胞に分化する代わりに、それらはよりこわ張った、非扁平な形状を維持する。これらの角質細胞の数とサイズは、接着分子の発現の増加と水分補給の減少と組み合わせることで、カルスを厚くそして耐久性のあるものにする。カルスは足のニューロパチーや不適切な靴の履き方を持つ個人に問題を引き起こす可能性があるが、広く分布している足裏カルスは習慣的に裸足の人では自然である。我々の知る限りでは、広範なカルスが進化的に正常な状態であるにもかかわらず、習慣的に裸足の個人における足底カルスの厚さおよび触覚感度に対するその効果は測定されていない。 https://office-purej.com/wp-content/uploads/2018/10/1b98425942ba80de526a0d762710ac3d-300x225.png
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触覚感受性は、機械的変形によって引き起こされる皮膚の機械的受容体(真皮における感覚神経終末)から生じる。 これらの受容体は、定常圧力または伸張などの静的刺激に反応する遅い順応(SA)受容体(メルケル盤)と、急激な圧力変化を感知する速い順応(FA)受容体とに分けられる。 4つの機械受容体タイプのうち、SA1とFA1はより表面的に位置し、鋭い境界を持つ小さな受容野を持つ。 SA2とFA2はより深く埋め込まれており、大きなフィールドと浅い境界線がある。速い順応型受容体は、足の大多数の機械的受容体を構成しており、歩行中のイニシャルコンタクトや足の離地などの動的運動における触覚に関連している。遅い順応型受容体は主に立位のような静的行動を感知するので、我々は5〜50Hzの動的な圧力変化に最も敏感なFA1受容体(マイスナー小体としても知られる)および100-300Hzのの変化に敏感なFA2受容体(パチニ小体)に注目した。 ここでは、足底カルスが触覚を損なうことはないという仮説を検証する。習慣的に裸足の人は厚いカルスを発達させるが、角カルスが最小限の人は裸足で粗い面を歩くと不快であると感じることが多いので、厚い靴底に似た厚いカルスは、足の保護と触覚刺激を知覚する能力とトレードオフの関係にあると一般に考えられている。しかし、もし皮膚が硬い場合、それは機械的刺激をほとんど和らげずに真皮深部の機械受容器に伝達するはずである。 加えて、バランス能力と歩行における触覚感度の重要性を考えると、自然な選択が足底の感度を損なうことなくカルスの厚さを増加させる能力を支持すると期待するかもしれない。したがって、クッション性のある履物とは対照的に、カルスの厚さの変動は、踵が最初に地面に触れるステップ開始時を含め、歩行力学に影響を及ぼさないはずだと予測する。これらの仮説をテストするために、まずケニア西部のカレンジン語を話す種族の成人81人を対象に、足底のカルスの厚さ、皮膚の硬度とスティフネス、および足の感度と歩行動態を評価した(拡張データの表1)。これらの人々は農村部または都市部出身であり、履物の使用は、毎日靴を履く人からめったにor決して履かない人までいた。カルスの厚さは、ポータブルBモード超音波トランスデューサーを使用して、踵の中心の底部と第一中足骨頭の底部の表皮の厚さとして測定した(図a 1a)。同じ場所で、足底感覚を皮膚の硬度とスティフネスとともに評価した。硬度は、凹みに対する皮膚抵抗のより直接的な測定値であり(Methodsを参照)、そして皮膚のスティフネスは、踵(r= 0.58、P<0.001)と中足骨頭(r=0.54、P<0.001)の両方の硬度と有意に相関しているため 、ここでは硬度に焦点を当てた(スティフネスの測定については、拡張データの図1、2、拡張データの表2、3および補足説明を参照)。 この研究では、主にカルスの厚さを履物歴とは独立した連続変数として扱うが、まず自己申告の毎日の履物状況(Methodsを参照)に基づいて参加者を「通常は靴」(n=46)と「通常は裸足」(n=35)のカテゴリに分類することにより、習慣的な靴の使用がカルスの厚さと皮膚の硬度に及ぼす影響を評価した。予想されたように、いつも裸足の人は、いつも靴の人と比較して、27%厚い踵カルス(P <0.001)および31%厚い中足骨頭カルス(P <0.001)だった(図1bおよび拡張データ表3)。カルスの厚さは、踵(r = 0.64; P <0.001)と中足骨頭(r = 0.56; P <0.001;図1d、e)の両方で皮膚硬度と正の相関があり、裸足の人で平均27%(踵)と29%(中足骨頭)(両方とも、P <0.001)、靴の人よりも硬い皮膚であった(図1c)。
踵および中足骨頭におけるカルスの厚さと速い順応受容器感度との関係を測定するために、FA1受容体には30Hz、FA2受容体には200Hzの振動で、カスタマイズされた振動刺激プロトコルを使用した。年齢、性別、履物の使用の影響を説明する一般線形モデルでは、踵または中足骨頭の30Hzまたは200Hzの振動に対する感度に、カルスの厚さまたは皮膚の硬さの影響は見られず、足底カルスは速い順応受容体な感度に影響しないという私たちの予測を支持した(図2および拡張データ表4)。年齢は、すべての条件の感度しきい値と有意に正の相関があり(P=0.034からP<0.001)、より年長の人は足の感度が低い傾向があった(以前の研究の知見と一致)。200Hzの振動の場合、男性の踵のしきい値は女性よりも平均で87%高いしきい値だった(P=0.027)。その理由ははっきりとわからなかっが、以前の研究と一致していた。裸足の人は、靴の人よりも中足骨頭の200 Hzのしきい値が平均で150%高くなった(P=0.006)が、実際の差はわずかであり、グループ間で実質的に重複している数人の参加者のみが原因だった(図2d)。したがって、クッション性のある靴とは対照的に、足底のカルスは動的な感度を失うことなく足裏を保護すると結論付けた。この発見のもっともらしい説明は、多くの靴で一般的に見られるゴムやフォームのクッションとは異なり、カルスは表皮のケラチノサイトのハードでスティフで乾いたレイヤーで構成されているためである。
速い順応受容体は立脚期全体で加えられた力を感知するが、まず踵接地の歩行ステップ開始時に、カルスの厚さと履物の影響を調べた。おそらくクッション効果と触覚喪失による歩行の微妙な変化によって、履物が踵接地時の地面反力の衝撃ピークを変化させることは十分に立証されている。ただし、カルスは速い順応型受容体の感度を低下させないため、裸足歩行時のカルスの厚さと衝撃力(impact force)には関係がないと予測した。我々は好みの速度(0.9–1.5ms-1)で歩行中の57人のケニア人の地面反力を測定し、衝撃ピークの大きさ(Fpeak)、impact中の平均荷重率(Frate)および足の接地からインパクトピークまでの垂直衝撃力(Fimpulse)を計算した(図3a)。速度、性別、履物の使用の影響を制御した線形混合効果モデルでは、カルスの厚さがいずれの衝撃力変数とも有意に関連しなかった(図3b、c、および拡張データの表5)。ただし、速度はFpeakとFrateに大きく関連しており(P <0.001)、裸足の人のFpeakは靴の人よりも平均12%高く(P=0.006)、男性は女性よりもFpeakとFrateがそれぞれ37%(P=0.013)と74%(P <0.001)高くなった(図3bおよび拡張データ図3)。
最後に、カルスの厚さとは違い、履物が衝撃力に影響を与えるという予測を検証するため、米国のボストン地域の成人22人(いつも靴〜いつも裸足の範囲)からデータを収集した。被験者は、フォースプレート内蔵トレッドミルを好みの速度(0.8–1.4 m s-1)で裸足、クッションのある運動靴、クッションのない裸足感覚シューズで歩き、運動学的データと動力学的データの両方を使用して衝撃力を測定した(Methods)。一般化線形モデルを使用して性別と速度を制御したところ、カルスの厚さはいずれの衝撃力変数とも関連付けられていなかったが、被験者が裸足と裸足感覚シューズの時のFrateは、クッション付きの靴よりも、それぞれ平均で4.0倍と2.8倍高かった(P<0.001;図3eおよび拡張データ表6、7)。Frateは、裸足の方が裸足感覚シューズよりも平均39%高くなった(P=0.002)。さらに、Fimpulseは、クッション付きの靴VS裸足/裸足感覚シューズそれぞれで、平均3.0倍と2.5倍高くなった(P<0.001)、そして裸足と比べて裸足感覚シューズは20%高くなった(P=0.009;図3f)。 歩行速度はFpeakとFimpulseと有意に相関したが(P<0.05)、靴による違いはFpeakに出なかった(拡張データ図3)。
これらの結果は、粘弾性クッションのある履物とは異なり、厚いカルスが感度を損なうことなく足を保護し、歩行中の踵接地で発生する地面反力の割合または大きさを変化させないことを示している。 対照的に、私たちがテストした靴の種類による衝撃力の大きな違いは、クッション性のトレードオフで高いFimpulseとFrateの減少という証拠を裏付けている。我々は、現代の靴が発明され、幅広く有用になるまで、足底カルスは効果的に機能し(おそらく他の動物でそうであるように)、様々な厚さの保護レイヤーを提供しながら、移動中に幅広い範囲の触覚刺激を知覚する能力を維持すると結論付けている。 さらに、クッションのない靴は、機能の点ではクッション付きの靴よりもカルスに似ているが、FrateとFimpulseへの影響はわずかである。
摩擦などの環境刺激に応答して足がカルスの厚さを増加させる能力は、保護と触覚によるトレードオフがないことで、歩行中の衝撃に対するクッション効果に影響する自然選択によるエンジニアリングの顕著な例である。人間は裸足で歩くように進化したため、私たちの筋骨格系は、現代のクッション靴で歩くと通常経験されるFrateの2〜3倍、Fimpulseの3分の1に対処するように適応されていると考えられる。現代の狩猟採集民族が工業化社会の人間よりも平均して1日約3〜5倍多くの歩くという証拠と相まって、これらの調査結果は、今日の多くの人々が歩行時に進化的な通常の負荷を経験していないことを示している。より低いFrateとより高いFimpulseを備えたモダンなクッション性のある靴を履き、より少ない歩数での筋骨格系の影響を評価するには、今後の研究が必要である。この研究によって提起された2番目の問題は、履物の触覚への影響が歩行と安定性にどの程度影響するかである。ほとんどの履物は、おそらく老化やニューロパシー(2型糖尿病によって引き起こされるものを含む)によって引き起こされる程度の感度を減衰させないが、歩行路面の知覚の低下は歩行を変化させ、バランス制御を損なうため、転倒のリスクが高まる可能性がある。裸足とクッションのない靴の衝撃力の比較的小さな違いは、stiff-soleの靴がいくつかの高周波振動を増幅する可能性があるという証拠とともに、足底の知覚の欠如によって転倒リスクのある個人の間でstiff-soleの靴の潜在的な利点を評価する必要性を強調している。
結論として、最近の多くの文化的革新と同様に、履物は保護、快適さ、スタイルなど多くの利点を提供するが、コストもかかる。 今日、多くの人々が裸足よりも靴を履くことを好んでいるが、靴は地面からの触覚刺激の知覚を阻害し、クッション材はその影響が十分に理解されてい方法で衝撃率と力積を変化させる。 カルスはこれらのトレードオフを引き起こさないため、工業化時代にゴムと発泡ヒールが発明されて以来、一般的なクッション性の高い靴に比べて角質と同様に機能する、比較的薄くて硬くてクッションのない靴底のモカシンやサンダル等の、裸足感覚シューズの潜在的なコストと利点に関する前向き研究が必要である。
図1 |カルスの厚さが皮膚硬度に及ぼす影響
a、踵および第1中足骨(MH)領域のカルスの厚さの代表的な超音波画像。 2つの明るい高エコーの線は、表皮の表面の縁と深い縁。 b、c、カルスの厚さ(cm)(b)と皮膚硬度(ショアユニット、Sh)(c)の靴の人(白;カルスの厚さ:踵 n=43個体、中足骨頭n=46個体; 皮膚硬度:踵n=46個体、中足骨頭n=46個体)および裸足の人(灰色;カルスの厚さ:踵n=33個体、中足骨頭部n=30個体;皮膚硬度:踵n=35個体、中足骨頭部n=35個人)ケニア人。データを対数変換した後の有意差が計算された(両側ウェルチの2標本t検定、*P<0.05、正確な値については拡張データ表3を参照)、データは平均+1 d、e、靴と裸足のケニア人のカルスの厚さと踵の皮膚硬度(d; n=75)および中足骨頭(e; n=75)の間の関係、rおよびP値はピアソンの積率相関関係検定。
図2カルスの厚さと感受性の関係
a、c、ケニア人(靴の人(白)と裸足の人(灰色))の踵(a; n=67)と第一中足骨頭(c;n=68) 30HzにおけるFA1受容体のカルスの厚さvs振動しきい値の散布図。 b、d、踵(b; n = 67)および中足骨頭(d; n = 68)のケニア人(靴と裸足)の200HzにおけるFA2受容体のカルスの厚さvs振動しきい値の散布図。 破線は、カルスの厚さと一般的な線形モデルからの振動しきい値との関係を表す。カルスの厚さの係数は勾配として設定され、切片は予測子係数の積と被験者間それぞれの平均値を合計して計算された。 P値は、両側のタイプ3分析から得られた。拡張データ表4に示されている一般線形回帰モデルからの振動しきい値に対するカルスの厚さのモデル効果に関する分散(ANOVA)。
図3 |カルスの厚さと歩行中の垂直地面反力の衝撃ピークとの関係
測定された変数を示す代表的な垂直地面反力。
b、c、ケニア人の裸足の人(灰色; n = 29、n = 77ステップ)と靴の人(白;n=28、n=44ステップ)の体重(BWs-1)と力積(BWms)で標準化されたカルスの厚さと負荷率の関係。ボックスプロットは、裸足の人と靴の人の比較を示している。線形混合効果モデルからのモデル分散で実行された尤度比は、カルスの厚さと衝撃力変数の間に有意な関係がなく、履物使用カテゴリー間に有意差がないことを示します(P>0.05、拡張データ表5を参照)。 d、歩行時の衝撃ピークの代表的な垂直方向の地面反力。 e、f、裸足(白)、クッションのない靴(薄い灰色)、クッション付きの靴着用時の米国人(n=22)のカルスの厚さと負荷率(BWs-1)とインパルス(BWms)の関係靴(濃い灰色)。ボックスプロットは、履物の状態の比較を示しています(拡張データ表6)。ペア間の有意差は、拡張データ表7に提示された線形混合効果モデルからの分散の両側ペアワイズコントラストに基づいて計算され、Holm–Bonferroni P値補正を行った(* P<0.05)。すべてのボックスプロット(b、c、e、f)について、ボックスは四分位範囲を表し、中央のバーは中央値を表し、ひげは最も端のデータポイント±1.5×四分位範囲まで伸び、さらに外れるデータポイントは円で示される。インパクトピークの大きさの結果については、拡張データ図3を参照。
補足資料
Methods
Participants.
サンプルサイズを事前に決定するための統計的手法は用いなかった。ケニアのエルドレト市から41名の参加者(女性20名、33±11歳、男性21名、37±15歳)とケニアの田舎のナンディヒルズ地域から40名の参加者(女性20名、38±12歳、男性20名、44±13歳、拡張データテーブル1、2)からデータを収集した。両方のサンプルは、主にカレンジン語を話す成人で構成されており、調査に参加した地元のケニア人の助けを得て口コミで募集した。自己申告の履物の使用歴に基づいて、参加者は通常裸足(靴を履くのは週3日以下; n = 35)または通常靴(毎日靴を履く; n = 46)に割り当てられた。包含基準は18〜70歳であり、明らかな歩行異常、足の開放性損傷、および体性感覚系に影響を与える疾患はなかった。データ収集の前に、参加者はスワヒリ語または英語でインフォームドコンセントを提供した。
また、米国のボストン広域に住む22名の成人からデータを収集した。これには、15名の靴の人(女性7名、22±4歳、男性8名、27±6歳)と、たいてい/いつも裸足であると報告した7名(女性1名、23歳 ; 男性6名、58±13歳)が含まれる。包含基準は、歩行異常、足の怪我、または体性感覚系疾患がないことであった。これらの参加者は、歩行中にカルスの厚さと衝撃ピーク力のみを測定した(以下を参照)。データ収集の前に、参加者は書面によるインフォームドコンセントを提供した。
すべてのデータ収集手順は、ハーバード大学のヒト被験者使用委員会とモイ大学健康科学部の組織研究および倫理委員会によって承認され、ヘルシンキ宣言およびベルモントレポートの倫理原則に従って実施された 。
Sensory examination of the foot sole.
感度測定のために、参加者はベッドまたは検査台の上に腹臥位で横になった。振動感度への温度の影響を説明するために、参加者は、振動しきい値が測定される前に、裸足で室温に10分間順応した。すべての測定は、カスタマイズされた加振機(Mini-Shaker、Brüel&Kjaer Vibro、タイプ4180)を使用して行われた。加振機上部のプローブ(直径7.8 mm)の垂直方向の動きは、高精度静電容量センサーを使用して調整され、振動振幅(μm)の直接の読み取り値を取得した。スイベルアームを使用して、プローブを足裏の測定スポットに垂直に配置しました。統合された力センサー(DS050A9、Disynet)は、プローブが皮膚に及ぼす力を表示した。意図した範囲(0.7–1.2 N)から外れるたびに力を調整した。環境ノイズを除去するため、参加者は測定中ノイズキャンセリングヘッドフォン(QuietComfort 25、Bose)を着用した。
FA1およびFA2受容体の感度は、それぞれ30 Hzおよび200 Hzの振動周波数を使用して測定した。これらの周波数は、これらの受容体について報告された周波数範囲の中央にあり、非標的受容体を刺激する可能性を最小限に抑えるために選択された。知覚可能な最小の振動振幅として定義された振動しきい値を測定するために、以前の研究に基づいてカスタマイズされた振動しきい値プロトコルを実行した。参加者は、2秒の振動バーストを感知した場合、ボタンを押すように指示された。バースト間のランダム化されたブレーク(3〜7秒)により、連続した刺激の予測が妨げられた。参加者が感知した高振幅の刺激から始め、プロトコルは刺激が感知されなくなるまで、すべての次のバーストの振動振幅を継続的に半分にしていった。次の刺激強度は、知覚された最小の振動バーストと最大の未検出の振動バーストの間の中点に設定された。後続のすべてのバーストは、後続のバーストの新しい制限になり、しきい値の位置を絞り込む。プロトコルは、最初の検出されなかった刺激の後に4つのバーストを停止し、知覚された最低および最高の振動振幅の平均を参加者の振動しきい値として記録した。この手順には2分かかり、ブロックごとに3回実行されました。振動がないときに参加者がトリガーを2回以上押した場合は、参加者がタスクを理解していることを確認し、最初から試行を再開した。合計すると、参加者は、振動周波数(30 Hzおよび200 Hz)と測定位置(第一中足骨頭と踵)の組み合わせで構成される4つの測定ブロックをランダムな順序で受けた。各ブロックについて、3つの振動しきい値の平均をデータ分析に使用した。
Mechanical properties of the foot sole.
機械的特性の測定は、振動感度測定とほぼ同じ場所で行った。硬度と剛性の測定は、感度検査の順応中にランダム化された順序で行われ、時間効率の良い測定手順が保証された。皮膚の機械的変形は、Shore OO Durometer(AD-100、Checkline)を使用した。これは皮膚硬度を評価するために一般的に使用される。足趾の屈曲は、中足骨頭でのデュロメータの測定値に影響を与えるため、足趾がニュートラル位置になるように足を支えた。デュロメータを測定面の垂直方向ではなく少し傾けた位置に保持する必要があったため、測定に若干の誤差が生じた可能性がある。デバイスのプローブ(直径2.4 mm)を中足骨頭と踵に垂直に適用し、1.111 Nの力を加えた。プローブの侵入深さに基づいて、デバイスのアナログスケールはショアOO硬度を出力し、単位(Sh)は0(最も柔らかい)〜100(最も硬い)まで。したがって、硬度は定義された圧力によって押し込みの深さとして定義される。同じスポットでの測定の間に一時停止状態を作成するために、各スポットで3回読み取りを交互に実行した。
特注のインデントメーター(ケムニッツ工科大学)で皮膚のスティフネスを測定した。インデントメーターは、30 Nの力に達するまで皮膚に押し付けられた円形のプローブ(直径11.3 mm)を使用した。このプロセス中、デバイスはプローブの押し込み深さおよび加えられた力を記録した。したがって、皮膚スティフネスは圧痕の深さと力の増加との関係の勾配によって定義された。各スポットについて3回測定値を取得し、その平均をデータ分析に使用した。インデントメーターはデュロメーターよりも皮膚にかなり大きな力を及ぼすため、その測定値は皮下軟組織によって影響を受ける可能性が高く、したがって、デュロメーター測定値は、くぼみに対する皮膚抵抗のより信頼できる指標であると考えた(詳細については、 データ図2と補足説明)。
Callus thickness.
カルスの厚さは、L12-4ブロードバンドリニアアレイ超音波トランスデューサー(Philips Lumify、Philips)を使用して、感度と機械的特性の測定(図1a)とほぼ同じ場所の表皮の厚さを測定した。デバイス設定:Bモード、14 MHz、2 cm画像深度、-0.3 dBパワー、筋骨格設定(機械的インデックス0.5、熱的インデックス0)。ハンドヘルドトランスデューサーはスマートパッドに取り付けられ、画像をキャプチャしながらライブモードで表皮層を視覚化した。すべての超音波イメージングは、参加者が左脚を伸ばした状態で椅子に座っている間、およびプローブを足の裏に当てている間に、一人の経験豊富な調査者(N.B.H.)が実行した。各場所で3つの超音波画像がキャプチャされ、表皮の境界が最もはっきりと見える最も鮮明な画像が、さらなる測定のために保持された。 1人の調査者(N.B.H.)が超音波画像のすべての測定を行って、調査員間のエラーを回避した。潜在的な測定バイアスを回避するために、すべての画像にはランダムなID番号が割り当てられ、調査者は画像の出所である個人または履物グループを知らずに測定した。カルスの厚さは、ImageJソフトウェアを使用して、表皮の境界を区切る2つの最も浅い高エコーライン間の距離として測定された。この測定は、これらの線のエッジが画像で最も明確に定義されている場所で行われた。ケニアの参加者からの超音波画像を使用して再現性分析を実施し、カルスの厚さ測定が信頼できることを確認した(補足方法1)。また、表皮の厚さが体のサイズに比例するかどうかを判断するために、ケニアコホート内のカルスの厚さと人体測定変数との関連を検証した(補足方法2)。スケーリングの関係に関するエビデンスは見つからなかったため、分析では表皮の厚さの測定値をスケーリングしなかった。
Impact peak forces.
ケニアのコホートでは、参加者は1000 Hzで中央に埋め込まれたAccugaitフォースプレート(AMTI)を備えた歩行路を自己選択の速度(0.9–1.5 m s-1)で歩いた。参加者の足全体がフォースプレートに着地するステップ、およびステップの前後で参加者が一定の速度を維持しているように見えるステップは、分析のために保持された。参加者ごとに1〜4ステップがこの方法で分析された(一人当たり平均2.0ステップ)。ただし、一部の参加者については分析できる適切なステップがなかった。歩行速度を測定するために大転子に円形のテープマーカーを配置し、7.5 mm 3 MP M12レンズ(バックボーン)記録を備えたGoPro Hero 5カメラ(GoPro)を使用して歩行中に動画を120Hzで記録した。歩行速度は、MATLAB(MathWorks)のDigitizingTools_20160818パッケージ34を使用して、一歩行周期中にこのマーカーが移動した水平距離に基づいて計算された。鉛直地面反力データは、LabChart v.8.1.8ソフトウェア(ADInstruments)を使用して収集され、カスタム作成ソフトウェアを使用してMATLABで分析した。力データは、100 Hzのカットオフ周波数を備えた4次ローパスバタワースフィルターを使用してフィルター処理され、ステップの開始は、フィルター処理された力データが5 Nの閾値を超えたときに発生するものと定義した。衝撃ピーク力は、力の低下が出る前のステップの開始後の最初の極大として定義された。ピークが明確に識別できなかったステップは、以降の分析から除外された。平均荷重率(Frate)は、垂直地面反力が50 Nを超えたときに開始し、ステップの開始と衝撃ピーク力の間の90%の時点で終了する間隔から計算した。速度は、連続する各データフレーム間の垂直方向の地面の反力の変化を0.001秒(各フレームの持続時間)で割った値として計算され、この間隔で平均化された。衝撃力インパルス(Fimpulse)は、MATLABのtrapz関数を使用して、この間隔中の垂直地面反力を積分して計算された。
米国のコホートでは、参加者は3つの異なる履物コンディションで、1,000 Hz(ベルテック)でフォースプレートを使用したトレッドミルを自己選択速度(0.8〜1.4 ms-1)で歩いた。裸足、クッション付きの靴( Asics Gel-Cumulus)とクッションのない靴(Vibram FiveFingers)を着用した。これらの条件の順序はランダム化された。データ収集前に、外果に反射マーカーを配置し、500 Hzで記録する8台のカメラのモーションキャプチャシステム(Oqus、Qualisys)を使用して、このマーカーの位置を記録した。カスタムされたMATLABソフトウェアを使用して、条件ごと参加者ごとに10ステップを分析した。力のデータは、カットオフ周波数が70 Hzの4次ローパスバタワースフィルターを使用してフィルター処理され、フィルター処理された力のデータが10 N閾値を超えたときにステップが開始したと定義された。キネマティックデータは、20 Hzのカットオフ周波数を持つ4次ローパスバタワースフィルターを使用してフィルター処理された。クッション性靴のほとんどのステップでは垂直な地面反力のトレースで、識別可能な衝撃ピークが見られなかったため、3つの足元コンディションの全ステップで、側面の外果マーカーの垂直降下が停止した瞬間に発生するものとして衝撃ピークイベントを定義した(フレーム間のマーカーの高さ<0.3 mmの変化)。このイベントのタイミングは、裸足およびクッションのない靴の試験から得られた垂直方向の地面反力トレースの目に見える衝撃ピークのタイミングに非常によく対応していた(補足方法3)。これを使用して、Fpeak、Frate、およびFimpulseを上記のように計算し、分析のために各履物内の平均ステップを計算した。以前の研究は、最大垂直地面反力を含む、地面およびトレッドミル歩行中の運動学および運動学データのわずかな違いを文書化しており、米国とケニアのコホートからのデータは直接比較できないことを示唆している。 それにもかかわらず、私たちの知る限りでは、これらのモード間の衝撃力の違いを文書化した研究はなく、使用したトレッドミルには硬いベルトの真下に厚い硬いプレートがあったが、つまり、衝突ピーク力はフォースプレート上にある路面によって減衰されるべきではない。 さらに、衝撃力に対するトレッドミルの影響は、すべての条件で一貫しているはずです。
Statistical analysis.
すべての変数は、正規性を達成するための分析のために対数変換された。特定の変数の平均から±3 sdであるすべての値は分析前にサンプルデータから削除された。すべての統計分析はRで行われました。すべての統計検定は両側検定。ウェルチの2標本t検定を使用して、カルスの厚さ、皮膚硬度、皮膚スティフネスを通常裸足の人と通常靴を履く人で違いを検証した。ピアソンの相関係数を使用して、カルスの厚さと皮膚硬度の間、および皮膚の硬度とスティフネスの間の関連を検証した。一般化線形モデルを使用して、高速順応応受容器感度(振動しきい値)とカルスの厚さの関係を評価し、年齢と皮膚硬度を共変量として設定し、性別と履物の使用(通常は裸足または通常は片足)を固定効果として設定した。年齢はsensitivityに大きな影響を与えることがよく知られているため、これらの影響を含めた。性別はsensitivityに影響を与えることがわかっており、靴の使用は未知の神経学的要因により影響を与える可能性がある。タイプ3分散分析はモデル効果の有意性をテストするためにモデル分散に対して実行された。 これらのモデルからカルスの厚さと振動感度の関係を表す線をプロットするために(図2)、カルスの厚さの係数を勾配として使用し、他のモデル予測子係数の積と研究参加者間のそれぞれの平均値を合計して線の切片を計算した。
ケニアのコホートにおける衝撃力変数とカルスの厚さの関係を評価するために線形混合効果モデルが使用され、個々のステップがデータポイントとして機能し、年齢と歩行速度が共変量として、性別と靴の使用が固定効果として、被験者のアイデンティティが変量効果として、設定された。線形混合効果モデルを使用して、米国のコホートにおける衝撃力変数とカルスの厚さの関係を評価し、年齢と歩行速度を共変量として設定し、性別と靴の状態(裸足、クッション性ある靴、クッションのない靴)を固定効果として、被験者属性を変量効果として設定した。線形混合効果モデルは、Rのlme4パッケージを使用して作成された。尤度比テストは、重要なモデル効果をテストするために使用された。米国のコホートでは、RのlsmeansパッケージとHolm–Bonferroni P値を調整して、靴の状態間のペアワイズコントラストを実行した。すべてのモデルで、残差プロットを使用して同分散性をチェックし、分位点-分位点プロットを使用して正規性をチェックした。 Reporting summary.
研究デザインの詳細については、このペーパーにリンクされているNature Research Reporting Summaryを参照。